【後編】インスリンの働き
1. インスリンは「糖の運び屋」
私たちが食事をすると、血糖値(血液中の糖分)が上がります。すると膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンの主な役割は、血液中の糖を細胞の中へ送り届ける「運び屋」です。その主な届け先は、大きく分けて3つあります。
(届け先) 役割
①筋肉(骨格筋) エネルギーとして消費、または貯蔵する(最大の消費場所)
②肝臓 グリコーゲンとして貯蔵し、血糖値をコントロールする
③脂肪 余った糖を「中性脂肪」として蓄える
つまり、筋肉でしっかり消費されれば問題ありませんが、行き場を失った糖は、インスリンによって脂肪組織へと運び込まれてしまうのです。
2. なぜ年齢とともに「インスリン」の働きは変わるのか?
残念ながら、インスリンの働き(効き目)は年齢とともに変化します。これを**「インスリン抵抗性の増大」**と呼びます。主な理由は以下の3点です。
① 筋肉量の減少(受け皿が小さくなる)
糖の最大の受け入れ先である筋肉が減ると、糖が行き場を失います。例えるなら、**「大きな倉庫が小さな物置になってしまった状態」**です。入り切らなかった糖は、そのまま脂肪へ回されてしまいます。
② 内臓脂肪の蓄積(邪魔者が増える)
内臓脂肪が増えると、脂肪細胞から「インスリンの働きをブロックする物質」が分泌されます。これにより、せっかくインスリンが出ていても、細胞が糖をうまく取り込めなくなります。
③ 膵臓のパワーダウン
加齢とともに、インスリンを出す膵臓自体の機能も少しずつ衰えます。糖を処理するスピードが追いつかなくなり、食後の高血糖が続きやすくなります。
3. 「インスリンを味方につける」ための3つの習慣
年齢による変化は避けられませんが、工夫次第でインスリンを効率よく働かせることは可能です。
• 「筋トレ」で受け皿をキープ
スクワットなど、大きな筋肉を動かす運動は、糖の受け入れ先(倉庫)を維持するために最も効果的です。
• 食べる順番を意識する(ベジファースト)
食物繊維を先に摂ることで、血糖値の急上昇を抑え、インスリンの無駄遣いを防ぎます。
• 食後15分の「ちょこまか動く」
食後すぐに軽く動くと、インスリンの助けがあまりなくても筋肉が糖を消費してくれます。後片付けや散歩がおすすめです。
【まとめ】
インスリンは、私たちが生きていくためのエネルギーを運ぶ大切なホルモンです。しかし、加齢によってその「届け先」である筋肉が減り、「邪魔者」である内臓脂肪が増えると、体脂肪を蓄積しやすい体質になってしまいます。
まずは**「筋肉という倉庫を維持すること」**。これこそが、いつまでも若々しく、太りにくい体を作るための鍵となります!
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